住まいを暖める7つの暖房器具の特徴とメリット、デメリット

住まいを温める暖房器具は定番のエアコンからファンヒーター、オイルヒーター、ストーブとその種類は豊富です。一体、効果的な暖房器具はどれなのか。それぞれ暖房器具のメリット・デメリット、また、効率の良い暖房器具の使い方をご紹介します。

暖房の対流式と輻射式による違い

暖房には対流式(たいりゅうしき)と輻射式(ふくしゃしき)の2種類があります。対流式暖房とは空気そのものを暖めて、その空気を循環させることによって部屋全体を暖める暖房方式です。石油ファンヒーターや電気ファンヒーター、エアコンなどが対流式の暖房です。

輻射式暖房とはモノを暖める方式です。例えば、赤外線があたっているモノが暖かくなる暖房方式の代表がこたつ。また、オイルヒーターも輻射式の暖房器具になります。輻射式は一部のモノを暖め熱を伝える暖房方式ですので、部屋全体を暖める暖房器具としては、空気を直接暖める対流方式よりは劣ります。

暖房器具のメリット・デメリット

対流式、輻射式と暖める方法は違いますが、その種類は豊富です。今回はエアコンから全館暖房まで7つの暖房器具をピックアップ。それぞれのメリット・デメリットと特徴をみてみましょう。

暖房その1

エアコンのメリット

エアコンの最大のメリットは何と言ってもランニングコストの安さにあります。エアコンは電気代がかかるイメージをお持ちの方もいらっしゃると思いますが、暖房器具の中では1位、2位を争うお財布にやさしいエコ暖房。ただし、20年、30年前のエアコンとなると話は別です。逆に電気代がかかってしまうこともありますので、「古い家電でも元気に動くから」といった思いはあっても、ランニングコストを考慮すれば、省エネ対応のエアコンへの買い替えをお勧めします。中には、電気代が半額以下になることもあります。

また、エアコンは石油ストーブなどと違い燃焼タイプではないので、暖められた空気はとても綺麗なもの。その空気を部屋全体に循環させてお部屋全体を温めるので、クリーンで温かい状態を保つことができます。更に、最近のエアコンは自動お掃除機能を付属している機種が多く、メンテナンスがとっても楽チン。ただし、全自動でお掃除してくれるといっても、定期的にフィルターやダストボックスのメンテナンスは忘れずに行いましょう。

エアコンのデメリット

空気そのものはとてもクリーンで良いのですが、エアコンで暖められた部屋は乾燥しがち。最近では加湿機能が付いたエアコンも販売され始めていますが、別途加湿器を運用してエアコンの乾燥をカバーすることをお勧めします。エアコンの暖房が必要な季節は風邪やインフルエンザなどが流行する季節でもあり、部屋の乾燥は避けたいですからね。

エアコンは電気代だけでランニングコストは低く押されられるのですが、初期費用は高額になる傾向に。更に、設置する際には、室外機が必要となるので、その分のスペースを確保しなければいけません。そして、寒冷地での使用には暖房効果が低く、適さない傾向にあるので、冬に冷え込む地方では寒冷地用のエアコンをお勧めします。

 

暖房その2

石油ファンヒーターのメリット

石油ファンヒーターとはいいますが、決して石油を使用しているわけでなく、燃焼燃料は灯油になります。灯油は比較的安価な原料で、費用対効果を考えるとエアコンの次にエコな暖房器具です。そして、石油ファンヒーター最大のメリットはその即暖性。温風がどんどん排出され、あっという間に部屋中を暖めることが出来るのが最大のメリットです。また、エアコンのように部屋の空気を乾燥させることなく、燃焼することにより水蒸気が発生するので、ある程度の湿度を保つことが出来ます。

石油ファンヒーターのデメリット

石油ファンヒーターで怖いのが一酸化炭素中毒。密室性のある部屋で使用する場合は、定期的に換気が必要です。また、灯油を燃焼する独特の匂いが発生するのも特徴であるとともにデメリットといえますね。

さらには、灯油を補給する必要があること。エアコンはスイッチを入れるだけで済みますが、石油ファンヒーターは灯油の補充が欠かせず、購入する手間もあり、かつ保管スペースも必要となります。

 

暖房その3

石油ストーブのメリット

昔ながらの石油ストーブ。上にやかんを置いて蒸気を出させて、乾燥を防ぐシーンが冬の風物詩だった時代もありますね。空気を暖める対流式、モノを暖める輻射式、両方の機能を備えているのが石油ストーブ最大のメリットです。石油ファンヒーターは灯油代と共に電気代もかかりますが、石油ストーブは着火時の電池と灯油さえあれば良いので、停電時にも大活躍。冬季の防災対策として石油ストーブを選ぶ方も多いですよね。電池が不要のタイプもあります。

石油ストーブのデメリット

石油ファンヒーター同様、灯油独特の匂いがするのと、定期的な換気が必要になります。最近は気密性に優れた部屋が多いので、使用時はきちんと換気しましょう。また、小さなお子さんがいるお家で使用する場合は、火傷に注意するために柵を設けるなど、安全対策が必要になるのも大きなデメリットです。

 

暖房その4

オイルヒーターのメリット

オイルヒーターのメリットはなんといってもエコなところ。暖めたオイルを循環させて空気を暖めるので空気はクリーン。乾燥することもなければ、触れてもやけどの心配もありません。気管支に病気のある方や赤ちゃんのいる家庭などには、とても優しい暖房器具となります。また、ペットを飼っている家で活用されていますね。

オイルヒーターのデメリット

即暖性に劣るため、すぐに部屋を暖めるときは不向きなのがデメリット。そのため、長時間使わないと部屋が暖まらず、ランニングコストが高くなる傾向にあります。

 

暖房その5

床暖房のメリット

床を直接暖める輻射式暖房器具です。足、腰などが直接温度に触れるので体感温度は高く、体そのものが暖まる快適な暖房器具です。床に寝転がって、木のぬくもりを感じながら暖まるのは嬉しいですよね。冷えが気になる人は、特に足下を温めることは重要ですので、床暖房が好まれます。最近の新築物件に採用されているだけでなく、リフォームを機に取り付ける家も多くなっています。

床暖房のデメリット

電気式、温水式、オイル式とさまざまな種類がありますが、すべてにおいて初期費用は高額になります。後付けの場合、本格的なリフォームが必要になります。また、ランニングコストも電気式の床暖房はかなりかかるので、使用時には注意が必要です。

 

暖房その6

蓄熱式暖房器のメリット

あまり耳慣れない蓄熱式。これはレンガなどの蓄熱素材を電気で暖めて、その熱を利用して部屋を暖める輻射式暖房器具です。オール電化の家で用いられることが多く、電気代の安い深夜帯に蓄熱素材を暖めて使用するスタイルです。

蓄熱式暖房のデメリット

蓄熱式暖房器具は多少高額になります。また、ある程度の大きさがあるので場所を取ると共に、重量もあるので、どこにでも設置可能というわけにはいかないのがデメリットです。また、それだけ場所をとっても夏の間は何も機能することがなく、ただのディスプレイとなってしまいます。蓄熱式暖房器具を設置する際には、使用しない季節のことも考えるようにしましょう。

 

暖房その7

全館暖房のメリット

マンションなど1つの暖房設備で24時間、全館を暖めるものです。一戸建ての家でも採用できるシステムがあります。24時間一定の温度を保つとなると光熱費が高くつくイメージがありますが、どのハウスメーカーも低燃費に抑えられるよう工夫されています。冬場の冷たいお風呂場や廊下、玄関などは苦痛ですので、どこでもいつでも暖かいマイホームは理想的ですね。

全館暖房のデメリット

全館に冷暖房が回る空調システムを導入するので初期費用がかさみます。また、故障してしまうと全館の暖房がストップしてしまうのでダメージは甚大。定期的なメンテナンスも必須で、工夫はされていても全体的な総コストはかかります。

 

効率の良い暖房機器の使い方

暖房器具にはさまざまな特徴があります。その特徴を活かして自分の環境に合った理想的な使い方を見つけましょう。
たとえば筆者の家は、オール電化。電気代の安い早朝にエアコンの即暖性を活かし、ある程度部屋が暖まったら石油ストーブに切り替え、やかんを置いて加湿しています。

対流式と輻射式を組み合わせ、それぞれの特徴を活かしながら且つサーキュレーターなどを使用し、空気循環させる方法も良いでしょう。また、サーキュレーターの代わりに、加湿器の送風で湿度のある空気と温風を共に循環させる、一石二鳥なアイデアも。利便性とコストを天秤にかけながら、1つの暖房器具に頼らず、それぞれの特徴を組み合わせ、効率の良い暖房器具の使い方を探すのも面白いですね。

 

まとめ

メリット・デメリットを踏まえた上で、環境と状況に適切な暖房器具を選ぶことが大切。マイホームをこれから建てるお家は全館暖房を取り入れたり、床暖房を考えることも出来ます。家族が快適に過ごせる暖房環境は何か、効率性とお財布と相談しながら、暖かい家族と暖かいお家を目指してください。

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